RouteDX Hokkaidoに参加した話

北海道の地からDXを進める為に、DXまでの道のりをみんなでぶっちゃけながら進めていくコミュニティ Route DX Hokkaido に参加したのでそのまとめの記事

 

参加者(秘密の人も多いよ)

コープさっぽろ 中山さん 鍛冶さん 竹ヶ原さん 

北海道ガス 峠さん

某食の製造業 Kevin  Rat

非営利団体 ピンクメガネさん

<リモート参加>

日清食品 喜多羅さん

コープさっぽろ 長谷川さん

コープさっぽろ 対馬さん

 

ファシリ:サメのマークのコミュニティがある某クラウド企業の川原さん

 

<各企業の人に聞く今何やっているのか?>

コープさっぽろ

 現在1万人くらいの従業員がいて情シスがSESの人も合わせると100名近くいそうな会社。

 4月に長谷川さんがCIOとして入りそこから多くのDX人材を絶賛採用中、SlackとGsuiteを導入していているところであり、それがいま進んでいるとのこと。秘訣は勉強会を週に1、2回開いており、そこでSlackやGsuiteを使うことによる業務効率化の可能性と利用方法を説明していることだとか

 

北海道ガス 

 社員は800名ほど、情シスは20名〜30名。でも峠さんはそことは全く関係がなく、IoTやクラウドとかめちゃくちゃ縁遠いところがあった。しかし、自身の業務の効率化を行うためにIoTを利用しようとしたところ500万円などの見積もりを出され疑問に思い勉強をしていき最終的にはIoT、RPAを使い工数換算で1800万円の削減を行ったとのこと。

全部独学で行い、愛すべきサービスはGoogle検索、Qiita、Udemyとのこと

 

・某食の製造業

1200人くらいいるが情シスは3名ほど(コロナかで10名まで増えた)

DXという文脈ではないが様々なツールを導入している。上位職の人たちも率先して使ってくれているものの、中間管理職が情報のオープン化みたいなところに抵抗感がありあともう一歩二歩アクセル踏めるのではないかと思案中

 

・某非営利団体

350名ほどの団体で幅広いサービスを展開している情シスは1.5名ほど

15年前からChatツールを使うなど先進的な取り組みをしてきた、最近他社に載せ替えている、Chatツール自体は団体内で広く使われている。広げ方のコツは現場で主戦力である年配の女性を抑えたところうまく広がったとのこと。またそれまでメールをあまり使ってこなかったことも一因かも知れないとのこと。

 

日清食品 

 社員1万2000人ほど情シスは70名ほど

 DXをガシガシ進めている会社としてIT界隈では有名ですよね?

けしてそこへいたる道は平坦ではなく予算が小さいIT部門ながら少しづつ仲間を増やしていったとのこと、仲間を増やすのは現場のエースとなるような若手のリーダーを仲間につけることだという。

 

<DXにおけるボトムアップトップダウンについて?>

喜多羅さんの仲間づくりの重要性から「ボトムアップトップダウンそれぞれどう巻き込めばいいのか?」というテーマに注目が集まりました。

特にボトムアップについてはそれぞれで思うところがあるようだが、共通しているのは現場の中核を抑えるコトであった。

日清食品の件では現場のエースを、某非営利団体でも中核勢力である現場の女性を抑えることによって広がっていったというコメントがあった。またこの議論を深めている最中にコープさっぽろ対馬さんが乱入w

コープではトップダウンボトムアップ両方を重視しており特にボトムアップでの"進め方"を話してくれた

コープさっぽろではGsuiteとSlackを使い"会議の無駄をなくす"を目指している。現場の方への講習会でもそのメリットを訴求し普及を進めている。

コープさっぽろの取り組み)

Slackの活用による会議の削減

 ーSlackのオープンなコミュニケーションにより、既存のコミュニケーション手段よりも手軽な情報シェアを実現し、会議機会の削減を実施している

 

Gsuiteによる会議にまつわるムダの削減

 ーGoogleカレンダーを使うコトで、日程調整の作業をより簡素化したらしい(ちょっと業務で使ったコトがないのであまりイメージが湧かないが)

 ーSpredシートを使い、会議中にみんなで同時編集で議事録作成を行う体制にし議事録の作成工数を減らした

 

こうした形でDXの第一歩目を踏み出せている企業もいるものの全体に広がらない課題感を感じていた。そのキーとなっている人物像も共通しており、「情報を独占する人たち」とのことだった。

 

<情報を独占する人たちへの考察について>

情報、ナレッジ、例えば社内申請を通すにあたりその詳細なフローであったり、提出書類に求められる要旨等のノウハウは特定の人に偏在しがちであり、

それが業務の遅滞を招くことも多い。

そうした情報の"偏在"をなくすためにWikiやChatツールといったものが導入されるわけだが"偏在"を残すことに躍起になり普及が進まないといった問題があるコトが話題になった。

独占する人の傾向として多いのは「自身が特定の業務や申請について知見を独占するからこそValueが発揮できる人」で何かしらの管理職であることも多いとのことであった。

こうした人たちに行動を変えてもらうにはオープンな文化の醸成であったり、管理職の役割の明確化、評価方法の公正明大化など様々な解決策の案が飛び交ったが現実性などの観点から決め手に欠いていた。

また文化の醸成に関しては、「(オープン性を支援する)ツールが導入されるからオープンな文化が醸成されるのか?」「文化が醸成されているからツールが導入されるのか?」、"卵先か鶏が先か"問題が浮上してきた

 

<Boss 長谷川さんの事例が衝撃、次回への方向性が決まる>

ここで乱入してきたコープさっぽろのCIO長谷川さんがSlackの本を執筆する中で聞いた逸話を話てくれた。

とある企業ではSlackを導入したことで中間管理職が上位層の内容を現場に伝えるだけの"パイプライン"になってしまっていることを発見。社長がそれをもとに中間管理職を大幅に削減してしまった企業があることを話してもらった。

ここで対馬さんから「文化や人の行動を変えるきっかけを知るためにも特定のツールを入れて成功した事例を集めてみては?」という提案があった。

次回は各社で特定のツールを入れたことで成功をした事例をシェアし合うことをテーマにしていきたい。

 

<まとめ>

▼良かった点

・最初のコミュニティということで流れが不安だったものの思わず、熱く発散したのは非常に良かった。

・前半はボトムアップトップダウンの二項対立の議論になるかと思ったが、意外とボトムの中でもマネージャー層と現場で分かれていることが印象的だった

・またマネージャー層をどう巻き込むかは皆の悩みどころである点も共通点であるのが面白い

 

▼反省点

・発言のアイデンティティが弱くなった。リモートで参加している方がどんな話をしているかは非常に鮮明に覚えているが、Airbnbの中にいる人たちの会話は誰が何をいったまではかけていなかった

・議論の用語が曖昧、DX、ボトム、トップそれぞれ明確な定義が必要になると思うがそこが曖昧だった。ただ用語のかっちりとした定義は自由な発言が生まれづらくのなる。まだまだこのコミュニティは発展途上であり、各方面での発散が必要であるので今しばらくは様々な用語の定義を曖昧化し自由闊達な意見が出るようにしたい(「あなたの言っているDXってただのツール導入じゃん」みたいな話が出るとただただ話がしづらい空間になるのでそれをさせないってこと)

・今回は"ヒューマンプロセス"に重きが置かれた、今後"テッキープロセス"について話す会も欲しいなぁっとは思う会を重ねていく中で分科会までできるようになるといいなぁと思う